現代の乙女

こんな記事が出てました。先日書いた、吉屋信子展のことです。

吉屋信子がいなかったら、ナナの隣にハチはいなかったんですよ」


嶽本野ばらさんのコメント、すごいです(笑)
「NANA」を持ってきましたか!確かに現代の乙女は
彼女たちかもしれません。
少女同士の友情以上、恋愛未満のプラトニックな感情。
女子校育ちとしては、うっすらと覚えがあります。


吉屋信子と同じように、かつての乙女たちが夢中になった
竹久夢二中原淳一。さしづめ、現代の乙女の心をつかんで
いるのは、ハマベノワルツをデザインされているアニャンさん
かもしれません。

実は密かにアニャンさんのブログを愛読してます(笑)
なんだか、不思議とほっと一息つけるのです。
乙女心のなせる技でしょうか!?

 はたらく片貝木綿

wkudoh2006-05-21


新潟県の紺仁工房でただ唯一織られている
片貝木綿というキモノがあります。
私も何枚か持っている大好きな木綿の一つです。
木綿の丈夫さと、柔らかさを兼ね備えた布で
洗えば洗うほど、はたらけばはたらくほど味が
出る。そんなキモノなのです。


最近できた表参道ヒルズの裏手に、はたらく
片貝木綿と出会えるお店があります。


新潟県の郷土料理を出してくれる静香庵です。
ここの板長さんは、片貝木綿を仕事着にしていら
っしゃいます。
この日は、鼠色と白の縞のすっきりとした着こなしが
印象的でした。

よく家族で訪れているのですが、こちらのご飯は
本当においしい!鰺のナメロウ、村上牛のしゃぶ
しゃぶ。最後のデザート、黒砂糖のシャーベットまで
もうお箸は止まりません(笑)


最初に出てきた山菜が食べたことのないものだった
ので、板長さんにおうかがいしたところ、本を見せて
説明してくださいました。
「しおで」。漢字ですと「牛尾菜」と書くそうです。


今年は雪が多かったので、新潟の豪雪地帯ではまだ
フキノトウが取れるとのこと。そんな話を聞くのも
また「おいしさ」が増すのです。

 乙女の元祖カリスマ 吉屋信子 

wkudoh2006-05-19


また今日も日本橋は雨です。三越では傘が売れていると
ニュースで報道されてました。もう少し、夏キモノまでに
晴れ間が欲しいところです(笑)


ちょっと遠出になりますが、横浜の神奈川近代美術館で
「生誕110年 吉屋信子展」が開かれてます。
吉屋信子といえば、一世風靡した少女小説家です。
近年、国書刊行会から中原淳一の装幀を復刻した
「吉屋信子乙女小説コレクション」全3巻が刊行されて、注目を
集めました。監修者の嶽本野ばらさんによる解説も
秀逸。吉屋信子が目指した「乙女」がどのようなものだった
のか、教えてくれます。


空襲の際、吉屋信子少女小説を抱えて防空壕に逃げた
という田辺聖子さんの「ゆめはるか吉屋信子
朝日文庫)もおすすめ。
久しぶりにかわいい銘仙に袖を通して訪れたいです。

 京都、兵庫、練馬で人気?

wkudoh2006-05-18


最近、公開されたグーグルトレンド
コトバを入力すると、どの地域でもっとも検索されていたかが
分かるおもしろいサービスです。
さっそく、「着物」を調べてみると・・・こんな結果
なりました。

1. Kyoto Japan
2. Hyogo Japan
3. Nerima Japan
4. Fukuoka Japan
5. Kobe Japan
6. Osaka Japan
7. Kita Japan
8. Nagoya Japan
9. Hodogaya Japan
10. Chiyoda Japan

1位は堂々の京都!さすが、日本で一番の産地です。
2位は兵庫県5位も神戸ですし、着物
好きな芦屋マダムが多いのでしょうか?
3位はなんと、練馬!カリスマ和裁師さんがいらっしゃる
からでしょうか(笑)
4位は福岡。6位は大阪。8位に名古屋が食い込んでいます。
基本的に大都市圏が多いですね。


それにしても、7位の「kita」とはどこでしょうか?
東京の北区?9位の「保土ヶ谷」も謎です・・・

 中村仲蔵とお団子の甘い関係

wkudoh2006-05-17


まだ五月というのに、東京は雨が続いてます。
沖縄はもう梅雨入りしたそうですが、このまま
こちらも梅雨になってしまうのか?
夏のキモノになる前に、少しの晴れ間を見つけ、
キモノを着たいです。そしてお出かけしたい
ところがいくつか…


いつも素敵な企画展を開いている和菓子の老舗
虎屋さんで、これまたおもしろそうな企画展が
始まります。


旅先の口福「和菓子で楽しむ道中日記」展


中村仲蔵と団子の関係なんて、とても興味がありますね。
なんだか、久しぶりに根岸の羽二重団子が食べたくなって
しまったり…(結局食い気・笑)


こちらの企画展も気になってます。
「KIMONO 小袖にみる華・デザインの世界」展@女子美大美術館
「都市に生きるアールデコ」展@ハウス・オブ・シセイドウ

さて、今週末のお天気はいかに?

雨の日、河鍋暁斎

wkudoh2006-05-13


せっかくの週末なのに、お天気が優れません。
こんな日は家でゆっくり、本を読むのが好きです。
窓の外に広がる曇り空をしばし、忘れられるので。


最近、ある絵師の方に河鍋暁斎という画家が
いたことを教えられました。


幕末から明治にかけ、狩野派絵師でありながら戯れ画も
手がけた稀代の天才画家です。風刺画も描いたことから
「上」から睨まれ、投獄されたこともある反骨の人物でも
あったようです。
しかし、美術界で評価は難しく、死後は忘れられた存在と
なっていたそうです。


そんな波乱に満ちた人生を送った画家とは
どんな人物だったのか?

気になっていたところ、岩波文庫から「河鍋暁斎」が最近、
出版されました。
著者は鹿鳴館などを手がけた外国人建築家、
ジョサイア・コンドルです!

日本文化に傾倒していた彼は、暁英という名で弟子入りし
ていたとのこと。


外国人の弟子が見た、日本の天才画家の生涯。
おもしろくて、一気に読んでしまいました。
暁斎には、日本の伝統的な階級層によるハイ・
アートと庶民の娯楽であるロウ・アートが混在していました。

日本文化をどん欲に吸収しようとしていたコンドルにとって、
こんな格好の先生は他にいなかったのではないかと
思います。
師への愛情だけでなく、日本文化を見つめる視線が
そこにはあります。


それにしても、暁斎の絵のすばらしいこと!
帯の柄をスケッチしたくて、女中のおしりを追いかけまわした
エピソードもうなずけます。表紙の絵は、コンドルに贈られた
美人図の部分。美しいキモノがそのまま装幀となります。


今度、河鍋暁斎記念美術館へ訪れてみたいと思います。
彼の絵を、もっと知りたくなりました。
コンドルと同様、その懐に飛び込んでみたいです。

[キモノ] 銀の玉のり@東三季

wkudoh2006-05-12


いつもの玉のりさんとは、ひと味違う
(らしい)「銀の玉のり」とは?

さっそく青山の呉服屋さん東三季さんで今日から
始まった「夏と初秋の帯&ちぢみフェア」
お出かけしてきました。
根津美術館から青山墓地の方へ歩いていくと、
右側に一軒家の静かなたたずまいを残す東三
季さんが見えてきます。


玄関をくぐると玉のりさんが待ちかまえてまして(笑)
さっそく、「銀の玉のり」の逸品、上出来レース帯を
見せていただきました。


かわいい・・・

きれいな淡い緑色の小千谷ちぢみと、白地にピンクと
グリーンのお花の透かしレースの帯(写真真ん中です)
なんて、本当に「きゃああああ」と叫んでじたばたし
たくなるぐらいのかわいさでした。
これは20代のかわいいキモノ女子にぜひ着ていただき
たいです!!


そのほか、30代、40代以上のマダム向け?な
落ち着いたレースや、個性的なサイケデリックな帯も
あり、確かにいつもと違う「銀の玉のり」・・・


小千谷の若き織元、高政織物さんの小千谷ちぢみも
本当に素敵でした。デパートに並ぶものは、どこか
見たことのあるような柄ですが、こちらでは恐らく
同じ柄を着た方と街ですれ違うことはない!と思わ
れるオリジナリティあふれる反物ばかりでした。


残念ながら、お財布は一つしかないので(笑)
「銀の玉のり」でもっともお手頃価格だった白地に
グリーンの上出来レース帯(写真左下)をいただいて
帰りました。夏モノは濃い色で大柄なものが多いので
薄い色のシンプルな帯が欲しかったのです!
小千谷ちぢみはもちろん、木綿の単にも活躍してくれ
そうですし。


ところで「なぜ銀の玉のりなんですか?」とお伺い
したところ

「金の玉のりは、まずいですから!あははは」


なるほど。ちなみに玉のりさんは、「私、カリスマ
目指してますから!」とおっしゃってました。


「いったい、何のカリスマですか?」
皆さん、お出かけの際には速攻でつっこんであげて
くださいませ(笑)