mongami+hagire=rebirth

wkudoh2006-09-06


少し前になります。新潟は十日町の織り元、きはだやさん
からお電話がありました。


「紋紙をもらったのですが、これで何かやってみませんか?」


紋紙は、ジャガード織の際に使われる、いわば、デザインの
データが詰まったディスクのようなもの。紋紙により、柄が織り
出されます。十日町でも、もうジャガード織は残すところ1軒に
なってしまったそうで、その織り元さんから、捨てる運命になった
昭和30年ごろの紋紙をわけていただいたそうなのです。

おりしも、この夏、新潟県で開催されている3年に一度の
アートの祭典「越後妻有トリエンナーレ2006」がもうすぐ
開幕するというときでした。
きはだやさんでは、これを使って何か展示して、キモノの
ことを少しでもアピールしたいとお考えのようでした。


二つ返事で引き受けていました(笑)


もちろん、何をするあてもありませんでしたが、真楽の方々に
ご相談して、作品製作にご協力いただけることに!
トリエンナーレの開幕まで、もう時間があまりありませんでした。
あわただしいなか、できる限りのことをして作り上げた作品が
これです。コンセプトノートを転載します。

mongami+hagire=rebirth

 ここ十日町では、昔からさまざまな布が作られて
きました。大切に織られ、染められ、旅立っていき
ます。

 でも、十日町に残されたのが、このハギレたち。
職人さんたちが、試しに柄を織ったり、色を置いたり、
そんな苦労の跡が残る布です。
 着物にはなれなかった、小さなハギレたちですが、
美しさではひけを取りません。

 そして、今はもう使われなくなってしまった紋紙。
ハギレを集め、縫い、通し、紋紙とともに再生しました。

 銘仙、紬、襦袢地、白生地・・・さまざまなハギレが
息を吹き返し、自由になって紋紙の上を踊ります。
 その奔放な姿を楽しんでください。

 それは、布ひいては着物本来の姿なのですから。
 
 
         KIMONO真楽 team mongami


歴史ある、きはだやさんの家屋の吹き抜けに、生まれ
変わった紋紙をみることができます。夕方から夜。灯火が
紋紙の模様を透過するさまは本当にきれいです。

展示は今週末までのようです。よかったら、お立ち寄り
ください。